福島20キロ圏内
「被害日本大震災」の中で、福島は最も被害を被った地域かもしれません。
予想を上回るほどの地震に津波、福島第一原発の水素爆発による事故。
そういった意味で福島は、ダブルの被害にあった町といえるのです。
なかでも被害が大きかった「浪江町」、「双葉町」、「相馬市」は、海と原発、双方に近く、その被害は尋常ではありませんでした。
かろうじて津波から免れた人々も、原発事故のため、半ば強制的に自宅を追われるように出て、狭い避難場所へと移動させられました。
当然のことながら、ペットは一緒に連れては行けません。
「すぐに帰れるから!」
「必ず迎えに来るから!」
行政の人たちは、ペットを置いていくことにためらう飼い主たちをそう言ってなだめ、追い立てるように避難所へと急がせたそうです。
「また会える・・・」
「待ってて・・・」
その言葉が最後になるとも知らず、飼い主とペットは引き離されたのです・・・。
どんなに呼んでも、大好きな人の姿は見えない・・・。
探しても、探しても、大好きな人には会えない・・・。
一度人に飼われたペットは、一人では生きられません。
小さな体で、トボトボと歩く小型犬が「死んだ町」にはあまりにも不釣り合いに映ります。