ネコの捕獲

20キロ圏内でも中山さんたちは、よほど線量が高い場所でなければマスクも着けずに活動をしていました。

防護服は一応身に付けてはいたものの、その効果にはさほど期待している風でもなかったようです。

20キロ圏内でマスクは必須なはずですが、マスクを着けると動きづらく、行動が制限されるのを嫌ってのことです。

また、中山さんたちにとって防護服はお飾り的な要素が強く、私服だと逆に不自然に目立つため、却って怪しまれるのを防止することが目的でした。

20キロ圏内のレスキューで、最も手を焼くのはネコです。

ネコの捕獲には危険が伴います。怪我をするのも日常茶飯事。

通常の状態でもネコは捕まえにくい・・・そんなネコが災害を経験し、あらゆる全てに怯え、極度に神経を尖らせているのだから、なおさらです。

中山さんは、遠くにネコを見かけると車の窓から餌を放ります。

ビニールのまま放っても、自分で袋を開けて食べることは可能でしょう。

まだ元気で動き回れるネコ、それほど弱ってガリガリに痩せていないネコでなければ、こうして餌を与えるだけで通り過ぎます。

飼い主から保護要請のあるネコや、明らかに弱って病気の可能性が高いネコ、どうしても1匹で置いていくには不安が残るネコなどが、中山さんの保護対象、レスキューするネコになります。

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