餌やりさん
震災から「警戒区域」として立ち入りを制限された福島20キロ圏内。
5月に入り、時間制限付ではありますが、一部地域に「一時帰宅」が認められ始めました。
その頃は、飼い主によって保護されたペットも出始め、引き取れる状況の人はペットを連れて「警戒区域」を後にしていきます。
このときになって、ようやく行政は、義理ばかりの保護活動一度だけ・・・。
震災から2か月。
置き去りにされたペットたちは、どうしていたのでしょうか・・・?
震災直後から毎日、もしくは定期的に、残されたペットたちに餌を与え続けている人がいました。
そうした人たちは、ボランティアでペットレスキューをしている人たちに「餌やりさん」と呼ばれ、表立った活動こそしてはいませんでしたが、動物が集まる場所をみつけては「置き餌」をしてまわる人たちのことです。
その多くの人たちは、自分が飼っていたペットに餌を与えようとする人や、畜舎に残してきた牛や豚を気にかけた畜主さんでしたが、純粋に「お腹を空かせたペットのために」と、福島の被災とは関係の無い人までもが餌を運び、小さな命を繋ぎました。
みんなの想いは、ただひとつ「小さな命を守りたい、救いたい!」
その想いが原動力となり、広がって、小さな命は過酷な環境の中でも、命を保っていられたのです・・・。